プラスモジウム(マラリア原虫)の概要と生活環

プラスモジウム属の原虫は蚊を媒介してヒトに感染し、マラリアを引き起こします。世界で約20億人がマラリア流行地域に住み、常に25〜50%が原虫を保有していると推定されています。毎年100万〜300万人が死亡し、特に子どもが多く被害を受けています。

プラスモジウムの定義

プラスモジウムはマラリアの原因となる原虫の属名です。細胞内で生活し、宿主細胞に侵入して増殖します。ヒトに感染する主な種は P. vivax、P. ovale、P. malariae、P. falciparum の4種です。

蚊体内での生活環

雌のハマダラカ(Anopheles)蚊がマラリア感染者の血液を吸うと、血中の未成熟な配偶子(雄・雌)を取り込みます。蚊の腸内で配偶子は成熟し受精し、接合子(zygote)となります。接合子は腸壁に付着し嚢胞(cyst)を形成し、成長します。嚢胞が破裂すると、子孫が蚊体内に放出され、一部は唾液腺に移動して次の吸血時にヒトへ伝播できる状態になります。

ヒト体内での生活環

蚊に刺されると、プラスモジウムは皮膚の毛細血管から血流に入り、すぐに肝臓へ移動します。肝細胞に侵入して増殖し、1〜2週間で肝細胞が破裂し多数の原虫が血流に放出されます。

血流に出た原虫は赤血球に侵入し増殖を続け、48〜72時間で赤血球が破裂します。この過程で一部の原虫は配偶子へと分化し、再び蚊に吸血されることで生活環が再開します。

臨床症状(感染の身体的表れ)

プラスモジウム感染はマラリアとして臨床に現れ、周期的な発熱と貧血が主な症状です。感染歴はアフリカ、南米、東南アジアなどの流行地域への滞在・旅行歴があることが多いです。

感染症 - 関連記事