芽球症(ブラスチョマイコシス)の症状と対策
概況
芽球症(Blastomycosis)は、Blastomyces dermatitidisという真菌によるまれな感染症です。主に米国中西部や南西部で報告されており、肺や皮膚に症状が現れます。診断は胸部X線や組織生検で行います。
原因とリスク要因
この真菌は腐朽した木や土壌に生息し、空気中の胞子を吸入することで感染します。免疫力が低下している人(HIV感染者、手術後の患者、がん患者など)が特に罹りやすいです。
主な症状
- 皮膚:腹部や骨盤部に発疹や潰瘍ができる。
- 泌尿器:膀胱や前立腺の感染で排尿痛・排尿困難、腎障害に伴う腹部痙攣。
- 肺:初期は無症状の場合もあるが、進行すると胸痛、慢性咳嗽(茶色の痰を伴う)、発熱、倦怠感が出る。
- 全身:関節・筋肉の痛み、息切れ、全身の倦怠感。
合併症と重症化リスク
治療せずに放置すると、肺から血流を介して他臓器へ広がり、重篤な呼吸困難や中枢神経系への侵入、さらには致命的になることがあります。
診断
胸部X線検査、CT、肺や皮膚の生検が主な診断手段です。培養や血清抗体検査も併用されます。
治療と予防
症状が軽度で肺にとどまる場合は自然に解消することもありますが、皮膚症状や肺症状が進行した場合は抗真菌薬(イトラコナゾールやフルコナゾール)が投与されます。中枢神経系に侵入した場合は、アムホテリシンBなどの強力な薬剤が必要です。
予防は、腐朽した木材や土壌を直接吸い込まないようにし、免疫力が低下している場合は外出を控えるなどの対策が有効です。
予後
適切に治療すれば完全回復が期待できますが、再発することがあります。その際は同じ抗真菌薬で再治療が可能です。再発が頻繁に起こる場合は、基礎に免疫不全がある可能性があるため、専門医の評価が必要です。
