聴診器を使って体内音を聞く方法
聴診器は、患者の体内から発生する音をチューブで伝え、検査者の耳へ届ける医療器具です。1816年に聴診器が発明される以前は、医師は直接耳を患者の体に当てて音を聞いていました。多くの聴診器は、高周波音を伝えるダイアフラムと低周波音を伝えるベルの2つの先端部を持ち、心臓・血圧・呼吸・腹部などさまざまな部位の音を評価する際に用いられます。
使用手順
1. 心音の聴取
ダイアフラムを患者の左上胸部に当て、心臓の四つの部位(心尖部、心底部、左心室側壁、右心室側壁)を順に移動させて音を聞きます。心雑音の疑いがある場合は、ベルを用いて低周波音を確認します。
2. 血圧測定
血圧計(血圧カフ)と聴診器を併用します。カフを患者の上腕に巻き、肘の前側で脈を指先で確認し、その部位にダイアフラムを当てます。カフを徐々に加圧し、空気をゆっくり抜きながらコロトコフ音(血流音)を聞き取り、10秒間の拍動数を数えて心拍数を記録します。
3. 呼吸音の聴取
ダイアフラムを肺の領域に当て、患者に深呼吸させて吸息・呼気の音を聞き分けます。胸部の前面と背面それぞれで左右の肺を評価し、正常な呼吸音や異常音(ラ音、ウィーゼ、クラックルなど)を確認します。
4. 腹部音の聴取
ダイアフラムを臍の下、腹部に当てて腸音(ゴロゴロ音)を聞きます。腸音は5〜10秒ごとに出るのが正常です。音が全く聞こえない場合は、腸閉塞などの異常が疑われます。
