筋肉萎縮の診断方法

筋肉萎縮は筋組織が徐々に弱体化し、最終的には麻痺や死亡に至ることもある疾患です。代表的なものに、使用不足による「使用不足性筋萎縮」と、遺伝子異常が原因の「脊髄性筋萎縮(SMA)」があります。本稿では、両者の診断手順を具体的に解説します。

使用不足性筋萎縮(Disuse Muscular Atrophy)

  1. 症状の聴取

    患者に症状がいつから始まったか、持続時間、悪化の有無を詳しく述べてもらいます。症状と直接関係なさそうな筋肉の違和感がないかも確認します。例として、腕の脱力を訴える患者が呼吸困難を自覚していない場合、胸筋の萎縮が疑われます。

  2. 既往歴・家族歴の確認

    過度の飲酒、関節リウマチ、脳卒中や脊髄損傷など、筋萎縮のリスクとなる既往歴や家族歴を聴取します。

  3. 身体検査

    四肢の周径を測定し、歩行状態を観察します。関節の可動域を評価し、疼痛を伴う動作を記録します。

  4. 筋力評価

    患者に抵抗を加えてもらい、0〜5の5段階で筋力を評価します。5は正常、0は全く動かないことを示します。

  5. 血液検査・補助検査

    完全血球計算(CBC)で血液疾患を除外し、筋肉の炎症や酵素値、電気的活動が正常かどうかを確認する検査を実施します。

脊髄性筋萎縮(Spinal Muscular Atrophy)

  1. 診療記録の確認

    2歳までの診療記録を取得し、家族歴、肩や脚の筋力低下、頻繁な呼吸器感染などのリスク因子を確認します。

  2. 保護者への問診

    授乳や呼吸の困難があるか尋ね、6か月までに頭部を持ち上げられない、左右に動かせないなど頭部運動制御の喪失がないか確認し、症状の進行を把握します。

  3. 発達経過の聴取

    保護者に子どもの身体発達経過を語ってもらい、座位や歩行の獲得が年齢相応かどうかを確認します。

  4. 臨床所見の評価

    姿勢低下や鼻音声などSMAの兆候を観察し、筋緊張低下(フラッピー)、深部腱反射の消失、舌のひきつりなど神経筋疾患のサインを確認します。腕・脚の近位筋に主に弱化が見られるか評価します。

  5. 遺伝子検査・追加検査

    遺伝子検査で病変遺伝子の有無を調べます。遺伝子検査が陰性の場合は筋電図(EMG)を実施し、神経伝達の異常がないか確認します。EMGで異常が認められた場合は、筋肉の詳細画像取得のためMRI検査を行います。

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