深部静脈血栓症(DVT)の原因・診断・治療と予防
原因
DVTは、血液が正常に循環せず、凝固しやすくなることで深部静脈に血栓ができる状態です。長時間の座位や寝たきり、外科手術、がん、妊娠、ホルモン療法、肥満、喫煙などがリスク要因となります。多くは軽症で自然に解消しますが、早期の診断と治療が重要です。
診断
診断には超音波検査(ドップラーエコー)が第一選択です。必要に応じてCT静脈造影、MRI、血液検査(D‑ダイマー)を行い、血栓の部位と範囲を確認します。
治療
主な治療は抗凝固薬です。ワルファリンや直接経口抗凝固薬(DOAC)が用いられ、血栓の拡大や新たな血栓形成を防ぎます。重症例や急性肺塞栓の危険がある場合は血栓溶解薬(tPA)を使用しますが、出血リスクが高いため慎重に判断されます。
抗凝固薬が使用できない場合は、下大静脈フィルターを留置し、血栓が肺に流れるのを防ぎます。また、弾性ストッキングや足の運動で血流を促進し、腫脹や後遺症を予防します。
治癒
抗凝固療法により血栓は徐々に吸収され、多くの患者は自然に完治します。血栓溶解薬は急性期の血栓を速やかに除去しますが、長期的な治癒は体の自然な回復に委ねられます。
予防
予防策としては、長時間の座位を避け、定期的に足首やふくらはぎを動かすことが有効です。手術後や長期ベッドリストにある場合は、抗凝固薬や弾性ストッキングの使用が推奨されます。適正体重の維持、禁煙、適度な運動も重要です。
合併症
血栓が肺へ流れると肺塞栓症を引き起こし、呼吸困難や胸痛、血痰などの症状が現れ、生命に危険を及ぼすことがあります。また、血栓が残ると慢性静脈不全や皮膚変色、脚の腫脹を伴う後静脈症候群が生じます。
