抗真菌剤感受性テストの方法
抗真菌剤(殺菌剤)は、真菌を殺すために使用される化学化合物または生物学的エージェントです。作物の病害防止や皮膚真菌感染症の治療に欠かせません。市場には多種多様な抗真菌剤が出回っているため、各製剤の感受性(感度)を正確に評価することが重要です。
抗真菌剤感受性のテスト
感受性テストは、特定の抗真菌剤が対象真菌に対して有効かどうかを判断します。耐性が生じると、作物被害やヒトの感染症が拡大します。代表的なテスト法は以下の3つです。
- ディスクアガー勾配法(ディスク拡散法)
- Eテスト法
- ブロスマイクロ希釈法(抗菌薬耐性評価に主に使用)
各テスト法の手順
ディスク拡散法(フルコナゾール対象)
- グルコースアガー培地を3枚用意し、溶解後に平板に注ぎ固める。
- 対象真菌を生理食塩水5 mLに懸濁し、綿棒で培地表面を90°ごとに4方向にストリークする。
- 培地を35 ℃で乾燥させ、24〜48時間培養する。
- フルコナゾール含有ディスクを培地上に置き、拡散円の直径を測定して感受性を評価する。
Eテスト法
- ディスク法と同様に培地を作成し、真菌を均一に塗布する。
- 滅菌したピンセットでEテストストリップ(抗真菌剤濃度勾配付き)を培地上に貼り付け、エージェントがアガーに接触するように配置する。
- 培養後、ストリップ上の抑制楔(エッジ)位置から最小発育阻止濃度(MIC)を読み取る。
ブロスマイクロ希釈法
- 液体培地を96ウェルプレートに分注し、抗真菌剤を階層的に希釈する。
- 各ウェルに一定量の真菌懸濁液を添加し、一定時間培養する。
- 濁度や肉眼での増殖を確認し、最小抑制濃度(MIC)を決定する。
- この方法は主に抗菌薬耐性評価に用いられ、抗真菌剤の感受性評価にはあまり使用されない。
テスト法の選択ポイント
各手法には以下のような利点と欠点があります。
- ディスク拡散法:フルコナゾールなど特定薬剤に対して信頼性が高く、コストも低い。
- Eテスト法:操作が簡単で幅広い真菌種(例:Candida)に適用可能だが、費用が高く、フルコナゾール感受性の正確な評価には限定的。
- ブロスマイクロ希釈法:定量的なMIC測定が可能だが、手間と装置が必要で、抗真菌剤の感受性評価には一般的でない。
目的や予算、対象真菌種に合わせて最適な方法を選択してください。
