放射線治療の副作用と遅延影響
組織損傷
放射線はイオン化作用により分子レベルで組織を損傷します。電子が抜けて分子結合が破壊され、皮膚の潰瘍や臓器障害が生じます。一方、がん細胞を選択的に破壊する治療効果もあります。
吐き気
放射線治療後に吐き気を感じることがあります。軽い不快感から激しい嘔吐まで様々で、治療後2〜数時間で現れます。治療が続くにつれ、患者は徐々に慣れ、吐き気は軽減されます。
粘膜障害
口腔、鼻腔、腸、直腸、食道、胃などの粘膜に放射線が照射されると、炎症や刺激が起こります。下痢、腹部痙攣、咳嗽、声のかすれ、排尿時の痛みなどの症状が現れ、粘膜は乾燥して皮膚のように剥がれやすくなります。組織が回復すれば症状は改善します。
脱毛
放射線が照射された部位の毛髪は抜けやすくなります。頭部以外の部位に照射した場合、その部位の毛だけが脱毛し、全身性のはげになることはありません。
疲労感
疲労は放射線治療で最も一般的な副作用です。持続的な倦怠感やエネルギー不足を感じ、睡眠で回復しにくく、数か月続くことがあります。
遅発性影響
放射線曝露後、数週間から数年にわたり遅発的な影響が現れることがあります。血管や結合組織の瘢痕化により萎縮や血流障害が起こりやすく、遺伝子変異のリスクが高まります。これにより子どもへの染色体異常や、骨髄がんである白血病の発症リスクが上昇しますが、発症確率は低いです。
