かかとの骨棘(かかと拍車)と足底筋膜炎の概要と対策
米バージニア大学医学部の研究(American Family Physician掲載)によると、足底筋膜炎(プランターファシイティス)に関連するかかとの痛みは米国人口の約10%に見られ、年間60万件以上の外来受診が報告されています。痛みは主に朝起きたときや長時間安静にした後に現れます。
かかとの骨棘とは?
かかとの骨棘は、かかとの底部にカルシウムが沈着してできる骨の突起です。この突起が足底筋膜(足裏の靭帯)を刺激することがありますが、刺激の有無は個人差があります。
かかとの骨棘の原因は?
足底筋膜がかかとから引き離されることで骨棘が形成されます。主な要因は、反復的な負荷による怪我、関節炎、加齢、肥満、ハイアーチや偏平足、ハムストリングスや腓腹筋(ふくらはぎ)の硬直、サイズの合わない靴などです。正確な原因は未解明ですが、これらのリスクが重なると発生しやすくなります。
かかとの骨棘は本当に痛みの原因になるのか?
かつては骨棘が足底筋膜炎の直接的な原因と考えられていましたが、バージニア大学の研究では、足底筋膜炎は骨棘の有無に関わらず起こり得ることが示されました。つまり、骨棘があっても痛みを感じない人も多く、骨棘は足底筋膜炎の副産物と考えるのが一般的です。ただし、一部の医師や代替療法の専門家は、骨棘が痛みを引き起こすと主張しています。
足底筋膜炎の治療法
手術は通常不要です。主な治療は以下の通りです。
- クッション性のあるインソールや夜間用スプリントで足を背屈位に保ち、負荷を軽減する。
- 腓腹筋とアキレス腱を伸ばすストレッチで足底筋膜の緊張を緩和する。
- イブプロフェンやアスピリンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で痛みと炎症を抑える。
- 氷冷却療法で急性期の痛みを和らげる。
- 理学療法として、ストレッチングやショックウェーブ療法を組み合わせる。
かかとの骨棘と足底筋膜炎の予防法
予防には以下のポイントが有効です。
- 適正体重を維持し、過度な体重増加を避ける。
- 足底部にクッション性があり、足弓をしっかりサポートする靴を選ぶ。
- 裸足で歩くことを控え、特に硬い床上での長時間歩行は避ける。
- 高衝撃の運動(ジョギングやエアロビクス)と低衝撃の運動(水泳やサイクリング)をバランスよく取り入れる。
これらの対策を実践することで、かかとの骨棘や足底筋膜炎による痛みの発生リスクを大幅に低減できます。
