骨肉腫の臨床予後
概要
骨肉腫(オステオサルコーマ)は、主に腕や脚の長骨に発生する悪性骨腫瘍です。米国では年間約100万人に4人という稀な疾患で、10代の思春期に多く見られ、男性に多い傾向があります。近年、治療法の進歩により予後は大きく改善されています。
原因とリスク要因
- 正確な原因は不明ですが、平均より背が高く成長スパートが急激な思春期の青少年に発症リスクが高いと考えられています。特に膝関節周辺の骨に腫瘍ができやすいです。
- 成人での発症は、高脂肪食、過度の飲酒、喫煙、運動不足といった生活習慣が関与している可能性があります。
症状と診断
- 主な症状は、痛みと腫れが持続することです。腫瘍が脚にある場合は跛行や、軽い衝撃で骨折が起こることがあります。
- 診断は、整形外科腫瘍専門医が疑わしい部位から生検(組織採取)を行い、病理医が顕微鏡で癌細胞の有無を確認します。
治療法
- 治療は腫瘍のステージ、部位、患者の年齢・全身状態に応じて選択されます。
- 標準的な治療は、手術前に化学療法で腫瘍を縮小させ、続いて腫瘍を切除する手術を行います。多くの場合、切断せずに患肢を温存できる「肢温存手術」が実施されます。
- 手術後も再度化学療法が行われ、残存癌細胞の除去を目指します。
全体的な予後
- 1960年代は切断手術が唯一の治療法で、2年生存率は20%未満でしたが、近年の多剤併用化学療法と肢温存手術の普及により、5年生存率は約54%に上昇しています。
転移あり・なしの予後の違い
- 腫瘍が局所にとどまり転移が認められない場合、治癒率は65~75%です。化学療法に良好に反応すれば、80~90%にまで上がります。
- 診断時に既に転移が認められる場合、5年生存率は約30%にとどまります。
