燃える頭皮症候群(トリコジニア)とは
燃える頭皮症候群は医学的には「トリコジニア」または「頭皮ジセテシア」と呼ばれ、脱毛症(男性型脱毛症やびまん性脱毛症)を抱える人に多く見られます。頭皮や毛根に焼けるような痛みやかゆみが特徴で、原因は完全には解明されていませんが、神経ペプチド「サブスタンスP」の変動が関与していると考えられています。治療法は確立されていませんが、抗うつ薬などが症状緩和に有効とされています。
症状
燃える頭皮症候群の主な症状は、頭皮の焼けるような痛み、かゆみ、刺すような感覚です。ストレス(身体的・心理的)により症状が悪化しやすく、トリコジニアの場合は髪そのものを触れると痛みが増すことがあります。
発症率
『臨床心理皮膚医学ハンドブック』によると、慢性的な脱毛症を持つ患者の約34%が頭皮燃焼感を訴えます。皮膚や頭皮に異常がなくても痛みが生じることから、身体症状性障害(心身症)の一種と考えられています。
原因
正確な原因は不明ですが、皮膚や毛包に存在する神経ペプチドが関与している可能性があります。サブスタンスPは毛包の成長・退行に伴い濃度が変動し、痛覚を引き起こすとされています。また、男性型脱毛症やびまん性脱毛症に伴う炎症や、心理的ストレスも症状を悪化させる要因と考えられます。
心理的側面
同書によれば、燃える頭皮症候群患者の約75%がうつ病や不安障害、強迫性障害などの精神疾患を併発しています。脱毛への不安や恐怖が頭皮の痛覚を増強させることも報告されています。
治療法
主に三環系抗うつ薬が用いられ、サブスタンスPのレベル低下により痛みが緩和されます。その他、ステロイド外用、カプサイシン、局所麻酔薬、刺激の少ないシャンプーなどが補助的に使用されます。
