黒カビが引き起こす肺の問題
黒カビ(Stachybotrys chartarum)は湿度が高く換気の悪い環境で繁殖し、胞子を吸入すると肺に深刻な影響を及ぼします。長期的な吸入は感染、真菌塊、喘息、アレルギーなど多様な呼吸器疾患を引き起こし、治療せずに放置すると肺組織の瘢痕化や神経系の合併症につながります。
喘息
黒カビの胞子は気道を刺激し、気管支の痙攣や粘液の過剰分泌を引き起こします。その結果、息苦しさ、咳、喘鳴、胸の圧迫感、喉の痛みなどの喘息症状が現れます。治療には医師が処方する吸入器、ステロイド、抗ヒスタミン薬、免疫療法が有効です。また、黒カビへの曝露を減らすことで慢性的な喘息の悪化を防げます。
アレルギー性肺アスペルギルス症(ABPA)
黒カビの一種であるアスペルギルス属の胞子を吸入すると、特に喘息や嚢胞性線維症の患者で肺内にアレルギー反応が起こります。粘液に真菌が蓄積し、慢性炎症を引き起こすため、血痰、喘鳴、咳、喘息発作などの症状が現れます。長期間の曝露は肺の瘢痕化を招くことがあります。
真菌感染症
結核、喘息、嚢胞性線維症、肺気腫などで肺がすでに損傷している人は、黒カビの吸入により呼吸器感染、細菌感染、副鼻腔炎、肺炎、慢性気管支炎などを発症しやすくなります。無症状の場合もありますが、症状が出た場合は血痰、喘鳴、発熱、胸部圧迫感、呼吸困難などが見られます。
アスペルギローマ
アスペルギルスが肺内の空洞に蓄積し、真菌塊(アスペルギローマ)を形成します。これにより出血や組織の劣化が起こり、侵襲性の場合は血流や他臓器へ拡がり、臓器不全や致命的な合併症を引き起こします。外科的除去や抗真菌薬による治療が必要です。
予防と対策
黒カビは湿気と暗所で繁殖します。住環境の換気を改善し、除湿機や空気清浄機で湿度管理を行うことが基本です。定期的な清掃や漂白剤による除去、カビ検査キットや専門業者による検査で早期発見・除去を行いましょう。必要に応じて建築構造の修繕や床材・壁材の交換を行うことで、長期的な肺の健康を守れます。
