MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症の概要と対策
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は、黄色ブドウ球菌が耐性を獲得した感染症です。治療が難しく、重症化すると命に関わることもあります。黄色ブドウ球菌は通常、鼻や皮膚に常在していますが、傷口から体内に侵入すると増殖し、深刻な症状を引き起こします。
種類
MRSAには主に2つのタイプがあります。
- HA‑MRSA(医療関連MRSA):病院や介護施設など医療現場で感染するタイプで、免疫力が低下している高齢者やHIV/AIDS患者に多く見られます。
- CA‑MRSA(地域関連MRSA):比較的健康な人でも感染しやすく、重症肺炎を引き起こすことがあります。
原因
世界人口の約3分の1が鼻や皮膚に黄色ブドウ球菌を保菌していますが、症状が出るのは細菌が傷口に侵入したときだけです。抗生物質を不必要に使用すると、細菌が耐性を獲得しやすくなり、MRSA感染が起きやすくなります。
菌の変異
抗生物質で一部の菌だけが生き残ると、残った菌が変異しさらに耐性を強めます。耐性菌が増えると、既存の薬では治療できなくなるリスクが高まります。
主な症状
- 赤く腫れた膿疱(にきびのような膿がたまった傷)
- 激しい痛みと熱感
- 膿や液体の排出
- 肺炎、血流感染、手術創部感染などの全身症状
- 心臓弁や骨・関節への感染
予防と対策
MRSAの拡散を防ぐために、以下のポイントを守りましょう。
- 手指は石鹸でしっかり洗うか、アルコール(60%)ベースの消毒液を使用する。
- 傷口は清潔に保ち、覆って感染を防止する。
- 他人の傷や包帯に触れない。
- シェーバー、タオル、衣類などの個人用品は共有しない。
- スポーツ後は必ずシャワーを浴び、傷がある場合はプレーを控える。
- 抗生物質は医師の指示通りに服用し、途中で中止しない。
- 症状が改善しない場合は速やかに医師に相談する。
