肛門裂傷(アナルフィスチャー)の診断と治療ガイド
肛門裂傷は、年齢や性別に関係なく起こり得る痛みを伴う症状です。肛門管の粘膜が裂けることで生じ、ほとんどの場合は自宅でのケアで改善します。
肛門裂傷とは
肛門裂傷は、排便時に痛みや灼熱感を伴う状態で、直腸下部または肛門部の粘膜が裂けたことが原因です。通常は深刻な合併症に至らないものの、日常生活に支障をきたすことがあります。
原因
主な原因は以下の通りです。
- 硬い便や大きな便が肛門管を通過する際の外傷
- 排便時の過度な力み(便秘・痔の悪化)
- 肛門性交や出産による直接的な損傷
- クローン病、炎症性腸疾患、HIV感染などの基礎疾患
症状
典型的な症状は、排便時の燃えるような痛み、刺すような鋭い痛みです。痛みは数時間続くことがあり、次のような兆候も見られます。
- 黄色がかった分泌物やかゆみ
- 軽度の出血(トイレットペーパーや便器に鮮やかな赤色の血痕)
※便と混ざった暗赤色の血液は、ポリープや憩室炎など別の疾患の可能性があるため、医師の診察が必要です。
診断
医師はまず症状を聞き取り、視診を行います。必要に応じて、手袋をした指での内診や、光源付きのアノスコープを使用した検査を行うことがあります。これらの検査は、裂傷の治癒状態や基礎疾患の有無を確認するために実施されます。
治療法
多くの裂傷は自宅での対処で改善します。
- 温かいぬるま湯に座る「シッツバス」を1日2~3回、10~15分程度行う
- 便秘予防のため、食物繊維の多い食事、十分な水分摂取、必要なら軟便剤の使用
痛みは数日で軽減することがありますが、完全に治癒するまでに数週間かかることがあります。症状が長引く場合や出血が多い場合は、再度医師に相談してください。
