線維筋痛症の新しい治療法
線維筋痛症は、全身の筋肉や関節に痛みや疲労感が現れる慢性疾患です。原因は未解明で、特定の検査で診断できるわけではなく、他の疾患を除外した上で臨床的に判断されます。根本的な治療法はなく、症状緩和を目的とした治療が中心です。
Lyrica(プレガバリン)
米国食品医薬品局(FDA)が2007年に線維筋痛症治療薬として初めて承認した薬です。当初は抗てんかん薬・神経障害性疼痛の治療に用いられていましたが、過剰な痛み信号を抑えると考えられています。1日2回、最大450 mgまで服用します。
- 主な副作用:めまい、眠気、体重増加、手足のむくみ。
- 新たにうつ状態や自殺念慮が現れた場合は速やかに医師へ報告してください。
- 妊娠・授乳を希望する場合は必ず医師と相談し、急に中止せず徐々に減量する必要があります。
Cymbalta(デュロキセチン)
2008年にFDAが承認した抗うつ薬で、痛みと倦怠感の軽減に効果があります。服用は1日1回、最大60 mgです。開始から1週間程度で症状の改善が期待できます。
- 主な副作用:口の乾き、吐き気、発汗増加、眠気。
- 肝機能障害や筋肉痛、気分変動が出たらすぐに医師へ。
- MAOIやメラリル(クロルプロマジン)を使用中の患者は使用できません。
Savella(ミルナシプラン)
2009年にFDAが承認したもう一つの抗うつ薬で、1日100 mgの投与が効果的とされています。痛みの軽減はCymbaltaと同様に1週間以内に見られることがあります。作用機序は不明ですが、脳内の疼痛伝達に関わる化学物質に影響を与えると考えられています。
- 副作用はCymbaltaと類似し、加えて心拍数増加、便秘、血圧上昇が報告されています。
TENS(経皮的電気神経刺激)
電気パルスを皮膚表面から神経に伝える非侵襲的治療法です。手根管症候群や筋骨格系の損傷でよく用いられますが、線維筋痛症の一時的な疼痛緩和にも利用されます。単独での治療は一般的でなく、薬物療法と併用することが多いです。
治療選択のポイント
症状の重さや組み合わせは個人差が大きく、最適な治療法を見つけるのは容易ではありません。新しい薬がすぐに効果を示さない場合もあり、医師との継続的なコミュニケーションが重要です。副作用や効果の程度は必ず医師に報告し、臨床試験段階の新薬や代替療法を試す際は必ず相談してください。
