白内障治療の新アプローチ:点眼薬の可能性

定義

米国国立眼研究所によれば、白内障は眼の水晶体が濁り視力が低下する状態です。主な症状は視界のぼやけと光に対する過敏性です。小さくて視力に影響しない場合は経過観察が可能ですが、濁りが進行すると外科手術で除去されます。

従来の治療法

標準的な治療は濁った水晶体を外科的に除去し、人工水晶体(IOL)を植え込む手術です。IOLは長期的にメンテナンスが不要で、視力回復に高い効果があります。

点眼薬で白内障を治す試み

ロシア・モスクワのヘルムホルツ眼研究所の研究者らは、カルノシンの新形態であるN‑アセチルカルノシン(NAC)を点眼薬として使用すると、既存の白内障を徐々に改善し、新たな白内障の発生を防げることを示しました。

研究結果の概要

ロシアの研究チームは、65歳以上の白内障患者49名を対象に、1%のNAC点眼液またはプラセボを1日2回、各目に2滴投与しました。2か月後、6か月後に評価を行い、レンズの透明度に変化が見られました。

作用メカニズム

加齢に伴う糖化(タンパク質と糖の架橋)により水晶体が濁ります。カルノシンは糖化を抑制し、既に形成された架橋を分解する働きがあります。NAC点眼薬は、カルノシンが水晶体内で糖化を防ぎ、既存の白内障を徐々に改善すると考えられています。

最新の研究報告

同研究の最新データによると、NAC点眼薬を使用した患者の88.9%でグレア感度が改善し、改善率は27%から100%まで幅がありました。一方、プラセボ群は6か月でほとんど変化がなく、12〜24か月で視力が徐々に低下しました。

点眼薬はまだ実用段階ではありませんが、将来的な白内障非外科治療の可能性を示唆しています。

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