成人の膵臓機能不全の兆候と症状

膵臓は胃のすぐ後ろ、上腹部に位置する臓器で、成人では約15〜20センチメートルの長さがあります。膵管が多数集まり、最終的に腸へと開口します。膵臓が産生する酵素はこの管を通って腸へ流れ込み、タンパク質・脂肪・炭水化物を分解し、体の組織が吸収できる形にします。膵臓機能不全になると、酵素の分泌が不足し、栄養吸収が十分に行われず、栄養失調を招くことがあります。

下痢

膵臓機能不全の代表的な症状の一つが下痢です。通常の下痢は水様便ですが、酵素不足が原因の場合、便に脂肪の粒子が混じります。脂肪が分解されずに排泄されるため、便は油っぽく見えることがあります。

腹部不快感

膵臓の酵素が不足すると、食事中のタンパク質・炭水化物・脂肪が十分に分解されず、腸内で発酵やガスが発生しやすくなります。その結果、腹部に痙攣様の痛みや鋭い痛みを感じることがあります。下腹部の強い不快感は、膵臓機能不全の典型的な消化器症状です。

異常な排便

下痢が出ない人でも、便が淡い色で悪臭を伴い、かさばりやすくなることがあります。便はトイレの底や壁にくっつきやすく、流しにくいことが特徴です。また、便が流れた後に水面に油のような滴が浮かぶことや、粘液が混ざることもあります。

原因不明の体重減少

膵臓機能不全による体重減少は急激に起こります。食欲は保たれていても、十分な栄養が吸収できないため、体重が減少します。特にタンパク質・炭水化物・脂肪の吸収が阻害されることが主因です。

膨満感(ガス)

ガスは単なる空気のことですが、膵臓機能不全の患者は頻繁に膨満感やげっぷ、腹部のガス感を訴えます。腹部の痙攣と合わせて非常に不快になることがあります。市販のガス除去薬(例:GasX、Beano)を使用すると、一時的に症状が緩和されることがあります。

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