腸重積(腸間重ね)の原因と症状
腸重積(ちょうじゅうせき)は、腸管や大腸の一部が隣の腸管に入り込む現象です。成人ではまれで、家族歴がある場合を除き稀です。小児では原因が特定できないことが多く、食事開始後に急激な腹痛が現れます。
成人の症状
- 吐き気
- 嘔吐
- 腹部膨満感
- 局所的な腹痛
- 腹部痙攣
- 直腸からの出血
- 急な排便欲求
- 排便回数の変化
これらの症状が持続したり、複数が同時に現れた場合は速やかに医療機関を受診してください。
小児の症状
離乳食を始めた頃に、激しい腹痛で突然泣き叫び、膝を胸に抱える姿が見られます。痛みは数分間隔で繰り返し、次第に頻度と持続時間が増します。
- 下痢
- 嘔吐
- 腹部膨満感
- 便に血液や粘液
- 呼吸が浅くなる
- 発熱
- 脱水症状
- 無気力
- 腹部のしこり
- 間欠的な激しい腹痛
上記のいずれかが見られたら、直ちに医療機関へ。
原因
腸重積は主に小腸で起こり、一部が隣の部位に滑り込むことで発生します。小児、とくに乳児で頻繁に見られ、成人では基礎疾患が原因になることが多いです。
小児の原因は不明なことが多く、ウイルス感染や腸内腫瘍が引き金になることがあります。過去にはロタウイルスワクチンが一部で報告されましたが、1999年以降は市場から撤退しています。
合併症
最も深刻な合併症は腸管への血流が遮断され、腸組織が壊死することです。これにより以下の状態が起こります。
- 腸壁穿孔
- 腹膜炎(生命を脅かす緊急症)
- ショック
腹膜炎の主な症状は、発熱、渇き、尿量減少、腹部膨満、腹痛です。ショックが進行すると、無表情、瞳孔散大、呼吸異常、脈拍の変化、皮膚の蒼白・冷感・湿潤がみられます。
治療と予防
初期治療としては、浸腸やエネマなどの非外科的手法が試みられますが、効果が不十分な場合は画像検査(X線・エネマ)を行い、外科的切除が検討されます。自然に改善することもありますが、再発リスクがあるため、再発時も早期の診断・治療が重要です。
腸重積そのものを予防する方法はありませんが、基礎疾患がある場合はその治療が予防につながります。
