便に血が混ざる原因とは
便に血液が混ざっていることは、軽度のものから生命に関わる重大な疾患まで、さまざまな健康状態を示すサインです。血液の量が少ない場合は肉眼では見えず、便潜血検査で初めて検出されることがあります。
肛門裂(肛門裂傷)
肛門裂は、肛門管の粘膜が小さく裂けた状態です。硬い便や大きな便を排出するときに起こりやすく、出血に加えて痛み、灼熱感、かゆみを伴います。ほとんどは自然に治癒し、手術は不要です。
痔核(痔)
痔核は直腸や肛門付近の血管が腫れ、炎症を起こしたものです。排便時の圧力が原因で、妊娠中や出産後の女性に多く見られます。軽度の症状は市販の軟膏や坐薬、パッドで改善しますが、重症例は外科的処置が必要になることがあります。
大腸ポリープ
大腸ポリープは腸壁にできる小さな良性の細胞塊です。早期に発見すれば安全に切除できますが、放置するとがん化するリスクがあります。出血はまれで、ほとんど症状はありません。大腸内視鏡検査や便潜血検査、近年では便中DNA検査でスクリーニングが行われます。
大腸がん
大腸がんは大腸に発生する悪性腫瘍で、便に血が混ざることは代表的なサインのひとつです。便秘、下痢、細長い便、腹痛なども併発します。治療は外科手術、放射線療法、化学療法などが組み合わされます。
クローン病・潰瘍性大腸炎(炎症性腸疾患)
クローン病は消化管全体に炎症が広がる疾患で、血便に加えて腹痛、激しい下痢、体重減少がみられます。潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜が慢性的に炎症を起こし、左側結腸炎や全結腸炎などに分かれ、血便が主症状となります。根治はありませんが、抗炎症薬やステロイドで症状をコントロールできます。
腸虚血
小腸や大腸への血流が低下すると、腸虚血という痛みを伴う状態になります。血便のほか、急激な排便欲求、腹部の圧痛、発熱、嘔吐や吐き気が出ることがあります。治療は血流回復を目的とした外科的・内科的アプローチが中心です。
消化性潰瘍
稀に胃・十二指腸・食道の潰瘍が出血し、便に血が混ざることがあります。主症状は上腹部の痛みで、嘔吐や体重減少を伴うこともあります。抗菌薬や制酸剤で治療します。
便に血液が混ざると感じたら、早めに医療機関で検査を受け、原因を特定することが重要です。
