片頭痛に対するホルモン補充療法
米国では、月経時のエストロゲン急降下が原因と考えられる片頭痛に悩む女性が約1,200万人いる(Susan Hutchinson, 2008)。この現象は月経直前や閉経期に起こります。予防のため、多くの女性がホルモン補充療法(HRT)を行い、合成エストロゲンの錠剤で不足分を補います。ただし、発作が始まった後の痛みを止めることはできません。
目的・意義
ホルモン補充療法の目的は、エストロゲンの血中濃度を月経周期や閉経期を通じて一定に保ち、片頭痛の発生を抑えることです。
若年女性への対応
閉経前の女性には、低用量の経口避妊薬(通称「ピル」)が一般的に処方されます。エストロゲンとプロゲステロンの合成ホルモンが含まれています。
閉経後の女性への対応
閉経期(通常50歳以上)の女性には、妊娠馬尿から抽出したエストロゲン製剤(例:プレマリン)が使用されます。ただし、馬の飼育・尿採取方法が倫理的に問題視され、議論の対象となっています。
効果の実績
全米片頭痛協会(MAGNUM)の調査によると、HRTを受けた女性の45%が片頭痛の頻度が減少したと報告しています。一方、9%は変化を感じなかったと答えました。
留意点・副作用
同協会のデータでは、HRTを受けた女性の46%が片頭痛が悪化したと報告しています。治療開始前に医師と十分に相談し、個々のリスクを評価することが重要です。
