多発性硬化症(MS)と帯状疱疹ワクチンの可能性

脱髄の影響

多発性硬化症は脳と脊髄を攻撃し、免疫細胞が神経を覆う脂肪性のミエリン鞘を剥がします。その結果、プラーク(硬化斑)が形成され、神経伝達が遅くなります。視神経炎、疼痛、協調障害、しびれ、めまいなどの症状が現れます。

ウイルスとの関係

帯状疱疹を引き起こす水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)と多発性硬化症の発症に関連がある可能性が示唆されています。2007年4月号の『Journal of Neurology』で、SoteloらはMSの急性増悪時に患者血中でVZVを検出しました。

帯状疱疹ウイルスの影響

水痘ウイルスは子供の頃に水痘として一度感染すると、神経細胞に潜伏し続けます。成人になると免疫低下などで再活性化し、帯状疱疹として皮膚に水疱を出します。疼痛や発熱を伴い、重症例では入院が必要です。ワクチンや抗ウイルス薬は感染予防・治療に有効です。もしVZVワクチンが潜伏ウイルスを抑制できれば、MSの症状緩和にもつながる可能性があります。

理論・推測

MS協会の報告によると、バラシクロビルやアシクロビルといった抗ウイルス薬を投与された患者は病活動性が低下したとされています。脳内の新しい病変が減少したことから、今後これらの薬がMS治療に応用される可能性があります。

今後の可能性

現在、帯状疱疹の抗ウイルス薬やワクチンを用いた臨床試験が進行中です。ワクチン自体がMSの根本治療になるとは考えにくいものの、ウイルスとMSの関係を解明する手がかりとなり得ます。VZVがMSの原因である決定的証拠はまだありませんが、潜伏ウイルスが増悪時に関与することは新たな治療法開発への重要なヒントです。

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