単一の筋収縮で生み出せる力はどれくらいか?

はじめに

単一の筋収縮が生み出す力は、筋肉の大きさ、筋種、そして生理的状態など、さまざまな要因によって決まります。ここでは、筋線維単位での力の概算と、全体の筋肉が発揮できる力について解説します。

筋線維レベルの力

筋線維内のサルコメアは、アクチンとミオシンという細いフィラメントと太いフィラメントから構成され、ミオシン頭部(クロスブリッジ)がアクチンに結合することで力が発生します。1本のミオシン頭部が発生させる力はおよそ5〜10ピコニュートン(pN)です。

したがって、1本の筋線維が生み出す総力は、サルコメア内の全ミオシン頭部の数の合計となります。力は、サルコメアが直列に並んだ数と、1サルコメアあたりのミオシン頭部数に比例します。

全筋肉の収縮力

全体の筋肉が単一のツイッチ(短時間の収縮と弛緩)で発揮する力は、以下の要因で左右されます。

  • 動員された筋線維の数
  • 筋線維の断面積
  • 神経系からの活性化レベル(リクルートされた運動単位数とニューロンの発火頻度)

多数の運動単位が同時に活性化され、筋肉が最大に刺激されると、力は大幅に増大し、強い収縮が可能になります。この現象は「力の総和(サマレーション)」と呼ばれ、随意運動で高い力を出すために不可欠です。

概算値

筋線維1本が発生できる力は概ね10 pN程度と見積もられます。一方、全筋肉が最大収縮した場合の力は数百ニュートン(N)に達することがあります。

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