線維筋痛症がもたらすコストと影響
線維筋痛症は、全身に広がる痛みと慢性的な疲労を特徴とする疾患です(Mayo Clinic)。症状緩和のために多くの治療法を試す必要があるため、本人だけでなく周囲にも大きな経済的・社会的負担が生じます。
個人の金銭的負担
National Fibromyalgia Foundationによると、2007年の調査で線維筋痛症患者の34%が保険がカバーする額をはるかに超える医療費を毎月支出していることが明らかになりました。診断までに複数回の受診が必要になるケースも多く、診断後も痛みや疲労の緩和を求めて継続的に医療機関を受診します。病欠日数が上限を超えると給与が減少し、さらなる経済的圧迫が生じます。
雇用主側のコスト
従業員が線維筋痛症と診断されると、雇用主は直接的な医療費負担だけでなく、生産性低下や代替要員の手配による間接的コストに直面します。欠勤が頻発することで、他の従業員の業務負荷が増大し、職場の士気低下も懸念されます。
社会経済的コスト
2003年にJournal of Rheumatologyに掲載された研究によれば、線維筋痛症患者の保険請求額は非患者の約2倍、障害年金請求額も同様に2倍に上ります。これらは医療保険制度全体に対する負担増大を示しています。
家族時間の喪失
症状が安定している日もありますが、悪化時には全身の痛みと極度の疲労により、家族と過ごす時間が著しく減少します。特に小さな子どもがいる家庭では、親がベッドに横たわる日が続くことは大きな精神的痛手となります(WebMD)。
非金銭的な個人的コスト
National Center for Biotechnology Informationによると、慢性的な痛みと睡眠障害はうつ状態や性欲低下を招きやすく、いわゆる「ファイブロフォグ」(集中困難)により仕事上のパフォーマンスが著しく低下することがあります。これらは金銭で測れない深刻な負担です。
対策のヒント
線維筋痛症患者には強固なサポート体制が不可欠です。Fibromyalgia Networkは、家族や友人に対し「重度のインフルエンザのような症状(筋肉痛、倦怠感、全身痛)」と説明し、予め理解を得ることで急な悪化時にも周囲の対応がスムーズになり、個人的な負担を軽減できると提案しています。
