水銀中毒の治療法

即時処置

水銀を摂取した直後は、他の多くの毒物と同様に体内から排除する処置が最優先です。救急医療では、胃洗浄(胃内容物の吸引)や活性炭投与が行われます。

  • 胃洗浄(胃ポンプ):チューブを口から胃まで挿入し、胃内容物を吸引して除去します。その後、ぬるま湯で胃を洗浄します。
  • 活性炭:活性炭錠を服用させると、胃内で毒素を吸着し、血流への吸収を抑制します。

これらの処置は、水銀がまだ血流に入っていない場合に有効です。

キレート療法

水銀が血中に入った場合は、金属を体外へ排出させるキレート剤が用いられます。キレート剤は血中の重金属と結合し、腎臓を通して尿中に排泄させます。

  • エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびジメルカプト酢酸(DMSA)は、FDA認可のキレート剤で、点滴または経口投与されます。治療は通常5〜30回のセッションで完了します。

キレート療法のリスク

EDTAやDMSAは、体に必要な金属(鉄やカルシウム)まで除去してしまう「非選択的」な薬剤です。そのため、治療中は不足しがちなミネラルをサプリメントで補う必要があります。

キレート療法は外来で行える簡便な手技ですが、血液・尿中の金属濃度を綿密にモニタリングしながら、医師の監督下で実施しなければなりません。

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