肩の痛みの評価方法

人間の体で最も可動域が広い関節は肩です。その広い可動域ゆえに関節は不安定で、肩甲骨の関節窩は上腕骨頭より小さく、外傷や過度の使用・未使用により損傷しやすいです。肩関節を安定させるのは靭帯、筋肉、腱の微妙なバランスであり、これらが乱れると様々な肩痛が生じます。本稿では、肩の痛みを効果的に評価する手順を解説します。

評価手順

  1. 身体診察を行い、痛みの部位や主訴(硬直、疼痛、違和感、クリック音など)を確認します。

  2. 外傷の機序や症状の経過を聴取し、必要に応じて肩部X線撮影を検討します。緩和・悪化因子(仕事、スポーツ、趣味)も把握します。65歳以上で外傷歴があり、仰向けに寝たときに痛む場合は回旋腱板断裂が疑われます。

  3. 外観的に異常がないか観察し、変形性関節症、筋萎縮、肩峰‑鎖骨関節の不整合などを確認します。腫瘤が認められた場合は生検を行い、病理検査を依頼します。

  4. 可動域(ROM)を測定し、屈曲・伸展・外転・内転などの制限を評価します。制限の程度に応じて理学療法の適応を判断します。

  5. 肩部のX線撮影を実施し、骨折、骨病変、脱臼、変形性関節症の有無を確認します。特に外転が90度未満、急性疼痛、外傷後で可動域が著しく制限されている場合に撮影が推奨されます。

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