高感度TSH(HS‑TSH)検査の正常値と臨床的意義

TSH(甲状腺刺激ホルモン)は前葉下垂体から分泌され、甲状腺機能の主な調節因子です。TSH濃度の正確な測定は、甲状腺疾患の診断に不可欠です。

TSH検査の歴史

従来、TSHは免疫測定法で測定されてきました。1980年代後半に高感度TSH測定法が開発されるまで、正常値は「5 mIU/L未満」程度としか示されませんでした。

高感度TSH(HS‑TSH)の正常範囲

HS‑TSHの正常範囲は、使用する検査室、測定法、機器により若干異なります。メイヨークリニックが提示している基準は0.3〜5.0 mIU/Lで、他の多くの検査室でも同様の範囲が報告されています。

甲状腺機能亢進症(低HS‑TSH)

甲状腺ホルモンが過剰に産生されると、体重減少、疲労感、神経過敏、頻脈、振戦などの症状が現れます。HS‑TSHが0.3 mIU/L未満の場合、甲状腺機能亢進症が疑われますが、最終診断には追加検査が必要です。

甲状腺機能低下症(高HS‑TSH)

甲状腺ホルモンの分泌や作用が不足すると、体重増加、倦怠感、うつ状態、乾燥した斑状皮膚などが見られます。HS‑TSHが5.0 mIU/Lを超えると甲状腺機能低下症の可能性が高く、こちらも追加検査で確定します。

臨床的意義

0.3〜5.0 mIU/Lの範囲内でTSHを正確に測定できることにより、真の甲状腺機能亢進症(0.3未満)と正常範囲にある患者を区別でき、適切な治療判断が可能になります。

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