ジフェニトイン(ディランタン)が甲状腺機能に及ぼす影響
ジフェニトイン(商品名ディランタン)は、てんかんやその他の発作のコントロールに有効ですが、副作用に注意が必要です。甲状腺機能を抑制する作用があり、セロトニンなど神経伝達物質との相互作用により抑うつ状態を引き起こす可能性があります。また、血中脂質の改善効果がある一方で、男性の性機能障害や女性化、骨軟化症などのリスクも報告されています。
発作治療薬としての効果
ジフェニトインは脳の運動中枢を安定させ、過剰刺激を抑えることで発作を予防します。以下のタイプの発作に有効です。
- 大発作(grand‑mal)
- 部分発作(focal)
- ミオクローヌス発作(筋肉の不随意収縮)
- 精神運動性発作
また、外傷性脳損傷による発作や、妊娠中の子癇前症・子癇、慢性疼痛症候群、三叉神経痛(顔面の激しい疼痛)にも使用されます。
主な副作用
ジフェニトインは甲状腺機能低下症(甲状腺ホルモン分泌の低下)を引き起こす可能性があり、既存の甲状腺機能低下症を悪化させることがあります。甲状腺ホルモンが低下すると、セロトニンなどの神経伝達物質が不足し、エネルギー低下や抑うつ状態を招くことがあります。
そのため、ジフェニトインを使用する際は甲状腺機能と気分状態を同時にモニタリングすることが推奨されます。
その他の影響
- 糖尿病患者はジフェニトインの血中濃度が低くなる傾向があるため、発作コントロールに高用量が必要になることがあります。
- 血中脂質の改善効果があり、HDL(善玉コレステロール)を上昇させ、LDL(悪玉コレステロール)を低下させます。
- 男性では血中エストラジオール濃度上昇により性機能障害や乳房肥大(女性化乳房)が報告されています。
- カルシウム吸収障害により骨軟化症(骨軟化)を引き起こす可能性があります。
