CoQ10と甲状腺の問題

背景

CoQ10(コエンザイムQ10)は体内で自然に生成されるビタミン様物質で、細胞ごとに必要量が異なります。加齢とともに体内のCoQ10は減少し、心臓などの重要臓器や甲状腺ホルモンのレベルが低下します。

1957年にウィスコンシン大学のフレデリック・クレーン博士が牛心臓を使った研究でCoQ10を偶然発見し、エネルギー産生と強力な抗酸化作用(ビタミンC・Eと同等)を持つことを明らかにしました。国立がん研究所によれば、CoQ10は心臓・肝臓・腎臓・膵臓に高濃度で存在し、肺に最も少ないとされています。現在も甲状腺疾患を含むさまざまな病状への効果が研究・推奨されています。

甲状腺とその機能

甲状腺は喉頭のすぐ下に位置し、食事からヨウ素を取り込んでT3・T4という甲状腺ホルモンに変換します。これらのホルモンは全身の代謝を調整し、エネルギー消費や体温、体重に影響を与えます。

甲状腺機能亢進症(過剰なホルモン産生)では代謝が上がり、体重減少や不整脈などが起こります。一方、甲状腺機能低下症では代謝が低下し、体重増加や倦怠感が現れます。CoQ10は甲状腺の健康回復に寄与すると考えられています。

甲状腺疾患と心臓への影響

心臓専門医スティーブン・シナトラ医師は、甲状腺そのものが直接心臓障害を引き起こすわけではなく、体重増加や脂質異常など二次的な変化が心臓に負担をかけると指摘しています。特に甲状腺機能亢進症は心臓のCoQ10を消費し、ポンプ機能を低下させます。シナトラ医師は著書『Heart Sense For Women』で、CoQ10が心臓の収縮力を改善することを述べています。

CoQ10と甲状腺機能亢進症

過活動な甲状腺は体内のCoQ10を大量に消費します。そのため、シナトラ医師は「甲状腺疾患の女性はCoQ10を補給すべき」と強調しています。

2003年の研究では、ドイツ・ヴェスティシェ小児クリニックのトーマス・メンケ医師が、甲状腺機能亢進症の子どもたちの血漿中CoQ10濃度が有意に低下していることを報告しました。

CoQ10サプリメントの摂取方法

加齢に伴うCoQ10の減少を補うため、錠剤やカプセルでの摂取が一般的です。シナトラ医師は甲状腺疾患がある場合、1日100〜200 mg、心臓疾患も併存する場合は最大400 mgまで摂取することを推奨しています。自然食品店やオンラインで手軽に入手できます。

使用上の注意点

  • 従来の薬剤の代わりにCoQ10だけを使用しないでください。安全性は高いものの、既存の治療と併用することが重要です。
  • ワルファリンなど抗凝固薬を服用中の場合は、必ず医師に相談してください。
  • ピーナッツや魚介類など、CoQ10を多く含む食品も積極的に摂取しましょう。

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