肝臓がんの治療法と診断ガイド

概況

肝臓がんは、米国国立がん研究所によると毎年2万人以上が罹患する致死率の高いがんです。早期に発見されにくく、治療が難しいことが特徴です。治療法は多岐にわたり、研究も進められています。

1. 肝臓がんとは

肝細胞が異常に増殖し、腫瘍を形成します。原発性肝がん(肝細胞がん)は肝臓で発生し、転移性肝がんは乳がん・大腸がん・肺がんなど他臓器からの転移です。転移性の場合は、例えば乳がんが肝臓に転移した場合は「転移性乳がん」と呼ばれます。

2. 症状とリスク要因

主な症状は倦怠感、体重減少、腹部膨満、黄疸、食欲不振、肝腫大、嘔吐などです。右上腹部や肩・背部に痛みが放散することもあります。

リスク要因は男性、60歳以上、過度の飲酒・喫煙、胆道疾患、黄曲霉毒素汚染食品(大豆、トウモロコシ、落花生など)の摂取、糖尿病、B型・C型肝炎、肝硬変などです。

3. 診断

腫瘍が十分に大きい場合は触診で確認できることがあります。疑いがある場合は超音波、CT、MRI などで腫瘍の位置と大きさを評価します。確定診断には生検が行われ、必要に応じてαフェトプロテインの血中濃度測定も実施しますが、全ての腫瘍がこのタンパク質を産生するわけではありません。

4. 移植・外科手術

肝移植は早期に見つかった小さな腫瘍や胆道系腫瘍に適応されますが、適格者は限られます。大きな腫瘍や血管侵襲がある場合は再発リスクが高く、移植は推奨されません。肝部分切除は、残存肝臓が健康であるか、早期の肝硬変である場合に実施できます。

5. 冷凍療法・アルコール注入

凍結凝固(クライオアブレーション)は液体窒素を用いて腫瘍を凍結し破壊します。超音波画像でプローブ位置を確認し、他の治療と併用されることがあります。アルコール注入はエタノールを腫瘍内に注入し、細胞を乾燥・壊死させます。腹腔内から行うか手術中に実施し、転移性がんの症状緩和にも有効です。

6. ラジオ波アブレーション

細い針を腹部から腫瘍に刺し、超音波やCTで正確に位置を確認します。針先に高周波電流を流し、熱でがん細胞を焼灼します。

7. 放射線療法・化学療法

放射線療法では高エネルギーX線を腫瘍に照射し縮小を図ります。プロトンビームは小さな領域に高線量を集中させる新しい手法で、特に小径腫瘍に効果的です。化学療法は抗がん剤で細胞増殖を抑制します。肝臓の血管内に直接薬剤を注入する化学塞栓療法(TACE)は、腫瘍縮小と疼痛緩和に有効です。

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