肝臓膿瘍(肝膿瘍)の兆候と症状
種類
「肝臓潰瘍」と呼ばれる状態は主に2つあります。1つは、胃・十二指腸・食道の潰瘍(消化性潰瘍)が肝臓へ穿孔するまれなケースです。もう1つが一般的で、肝臓内部に膿がたまる「肝膿瘍」です。
原因
肝膿瘍は腹部、血流、胆道系の感染が原因で起こります。内視鏡検査や外傷、虫垂炎、憩室炎、腸穿孔などがきっかけになることがあります。原因菌は複数混在することが多く、Bacteroides、Enterococcus、Escherichia coli、Klebsiella、Staphylococcus、Streptococcus などが代表的です。消化性潰瘍は主にヘリコバクター・ピロリ菌やNSAIDが原因です。
症状
消化性潰瘍が肝臓へ浸潤した場合は消化管出血が主症状です。肝膿瘍では、上部腹部の痛み、食欲不振、吐き気・嘔吐、体重減少が見られます。さらに、尿が濃い色になる、便が灰白色になる、黄疸(皮膚や眼球が黄色くなる)といった黄疸症状や、倦怠感、発熱・寒気も伴うことがあります。
診断
消化性潰瘍が肝臓に達しているかは内視鏡検査で確認します。肝膿瘍の診断には、肝生検、腹部超音波、CT検査が用いられます。また、白血球数、血液培養、肝機能検査なども併せて実施します。
治療
多くの場合、外科的に膿を排出するドレナージ手術が必要で、術後は4〜6週間の抗生物質投与が行われます。膿が小さい場合は抗生物質だけで治癒することもあります。消化性潰瘍には抗生物質と制酸薬(プロトンポンプ阻害薬など)を併用します。肝膿瘍は放置すると敗血症や死亡につながるため、早期治療が不可欠です。
