褥瘡(床ずれ)とは何か
概要
褥瘡(床ずれ)は、長時間にわたり同じ部位に圧力がかかり続けることで皮膚が損傷し、赤い斑点や潰瘍ができる状態です。放置すると皮膚が壊死し、深い穴(クレーター)になることがあります。寝たきりや車椅子利用者は、体位変換が少なくなるため特にリスクが高いです。
原因
皮膚への血流が圧迫により遮断されると、組織が酸素不足に陥り、数時間で壊死が始まります。ベッドで長時間横たわる、キャストや車椅子に長時間座るなど、姿勢を変えない状態が主な原因です。
症状
初期段階では、赤くなったまま消えない斑点が見られ、温かさやかゆみを伴うことがあります。圧迫した部位を指で押しても皮膚が白くならないのが特徴です。進行すると潰瘍が開き、腫れや変色が見られ、感染が起きると膿が出て悪臭を放ち、発熱を伴うこともあります。
ステージ
- ステージⅠ:皮膚が赤く、温かく、かゆみがあるがまだ破れていない。色素が濃い人は青紫色に見えることがあります。
- ステージⅡ:表皮が失われ、浅い潰瘍、ぼたんや擦り傷のようになる。周囲に変色が見られる。
- ステージⅢ:皮膚の深部まで損傷が広がり、クレーター状の深い傷になる。
- ステージⅣ:筋肉・骨・腱・関節まで損傷が及び、骨や筋肉が露出することがある。
治療
ステージⅠは、清潔な水と弱い石鹸で洗浄し、感染を防ぎます。ステージⅠ以降は生理食塩水で洗浄し、滅菌ドレッシングで覆います。壊死組織は外科的デブリードマン(切除)で除去し、必要に応じて経口抗生物質や筋弛緩剤を投与します。深い潰瘍には、筋肉や皮膚のフラップ手術で欠損部を覆い、外観と機能の回復を図ります。
予防
圧迫と摩擦を減らすことが最も重要です。2時間ごとに体位を変える、腕・脚・臀部の下にクッションや枕を置く、低反発や水床マットレスを使用するなどの対策があります。介護者は患者を持ち上げて移動させ、引きずらないように注意します。また、皮膚を清潔・乾燥に保ち、たんぱく質・カルシウム・亜鉛・ビタミンC・Eを含むバランスの良い食事と適度な運動を心がけることも予防に繋がります。
