緑膿菌性尿路感染症

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)が原因となる尿路感染症は、汚染された水や医療機器との接触など様々な経路で獲得される重篤な感染症です。健康な人には稀ですが、免疫力が低下している患者、特にがんやエイズなどの重篤な基礎疾患を抱える人に多く見られます。症状が基礎疾患に埋もれやすく、放置すると致命的な尿路敗血症(urosepsis)に進行する恐れがあります。

緑膿菌とは

緑膿菌は土壌や水中に自然に存在する棒状の細菌で、動植物やヒトに様々な感染症を引き起こします。特にPseudomonas aeruginosaは尿路感染症、呼吸器感染症、消化管感染症など多岐にわたる感染症の原因菌として知られています。

尿路感染症

尿路感染症は尿道や膀胱、腎臓など尿路全体に起こる細菌性の感染症です。米国メリーランド大学医療センターによると、P. aeruginosaは「複雑性」または「重症」尿路感染症の原因菌の一つであり、緑膿菌性尿路感染症と呼ばれます。

主な症状

  • 骨盤部の疼痛
  • 排尿時の灼熱感
  • 下腹部の不快感
  • 血尿
  • 頻尿・切迫感

症状は患者の全身状態や免疫力により個人差がありますが、上記のような典型的な尿路感染症の兆候が現れます。

影響と合併症

緑膿菌は機会感染菌であり、免疫抑制状態(例:エイズ、がん治療中)の患者に重篤な感染を引き起こします。感染が進行すると尿路敗血症となり、致死率が高まります。

治療方針

米国国立ガイドラインクリアリングハウスの報告では、緑膿菌性尿路感染症の治療は以下の三つの目標に基づきます。

  1. 尿路の解剖学的・機能的異常の管理(膀胱・腎臓の合併症治療)
  2. 抗菌薬による適切な薬物療法(例:1日3回、2週間の投与スケジュール)
  3. 必要に応じた支持療法と入院管理(耐性菌の出現防止)

重症例では入院が推奨され、薬剤耐性を防ぐために適切な抗菌薬選択と投与期間の遵守が重要です。

まとめ

緑膿菌性尿路感染症は免疫低下患者にとって命に関わるリスクが高く、早期の診断と適切な抗菌治療が不可欠です。

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