良性前立腺肥大(BPH)の治療ガイドライン
良性前立腺肥大(BPH)は、前立腺が拡大し尿道を圧迫することで、排尿障害を引き起こす一般的な状態です。40代以降の男性に多く見られ、前立腺が大きくなると尿の流れが妨げられます。癌とは無関係ですが、症状や前立腺のサイズに応じて治療方針が変わります。
一般的な治療情報
治療は前立腺の大きさや症状の重さによって選択されます。血尿や頻繁な尿路感染、膀胱・腎臓の障害がある場合は治療が必要です。軽度または無症状の場合は経過観察で済むこともあります。主な治療法は薬物療法、手術、非手術的療法です。
症状の自己管理
- 就寝前1〜2時間は水分摂取を控える。
- カフェインやアルコールは膀胱を刺激し尿意を増やすため、控える。
- 鼻詰まり解消薬や抗ヒスタミン薬は尿道周囲の筋肉を収縮させ、排尿を妨げることがあるので注意。
- 尿意を感じたらすぐトイレへ。尿を我慢すると膀胱筋が伸び、症状が悪化する。
- 定期的な運動は膀胱の働きを助ける。
- 寒さは排尿を妨げるため、体を温めておく。
薬物療法
中等度の症状には以下の薬が使用されます。
- αブロッカー:膀胱の平滑筋を弛緩させ、尿道を広げて排尿を楽にします。代表的な薬はヒュートリン(Hytrin)、カルデュラ(Cardura)、フロマックス(Flomax)、ウロキサトラル(Uroxatral)などです。効果は数日で現れます。
- 5α還元酵素阻害薬:前立腺のサイズを縮小させます。前立腺が大きく肥大している場合に有効で、効果が現れるまで数か月かかります。代表的な薬はプロスカー(Proscar)やアボダート(Avodart)です。
- 症状や前立腺の状態に応じて、上記の薬を組み合わせて使用することもあります。
非侵襲的治療
手術以外の方法で前立腺を縮小し、尿道を拡げる治療法です。以下のような熱エネルギーを利用した手技があります。
- マイクロ波療法
- 経尿道ニードル焼灼(TUNA)
- 経尿道インタースティシャルレーザー療法(ILT)
また、前立腺ステントは尿道を開いたままに保つ装置ですが、長期的な効果は期待できず、薬剤や手術が受けられない患者に一時的な緩和を目的として使用されます。
手術療法
前立腺が非常に大きい、または薬物・非手術療法で効果が得られない場合、手術が選択されます。主に経尿道的に前立腺組織を除去する手術が行われますが、前立腺が極端に大きい、膀胱に損傷がある場合は開腹前立腺摘除術(オープン前立腺摘除術)となります。
手術後は数日間の入院が必要で、術後2〜3週間は重い運動や性行為を控えるなどの注意が求められます。詳しいリハビリや生活上の注意点は担当医と相談してください。
