前立腺肥大(BPH)の治療法とは
米国国立衛生研究所(NIH)によると、60歳までに男性の半数以上が前立腺肥大の症状を示すとされています。年齢が上がるほど肥大のリスクは高まり、頻尿、残尿感、急な排尿欲求、排尿時の痛み、失禁などの症状が現れます。治療法は前立腺の大きさや合併症のリスクに応じて選択されます。
薬物療法
軽度から中等度の前立腺肥大には薬物が第一選択です。αブロッカーは前立腺の平滑筋を弛緩させ、数日で症状が緩和します。フィナステリドやデュタステリドなどの5α還元酵素阻害薬はホルモンレベルを下げて前立腺を縮小させます。炎症が伴う場合は抗生物質が処方されることもあります。
熱治療
経尿道的ニードルアブレーション(TUNA)や経尿道的マイクロ波療法(TUMT)は、熱エネルギーで肥大した組織を破壊する方法です。どちらも従来の手術に比べ侵襲が少なく、外来で実施できる点が特徴です。TUNAはラジオ波、TUMTはマイクロ波を利用します。
TURP(経尿道的前立腺切除術)
前立腺が非常に大きい場合は手術が推奨されます。最も一般的なのがTURPで、尿道から特殊器具を挿入し前立腺の一部を切除します。入院は最大3日間で、術後1年程度は性機能低下や失禁が続くことがあります。
開腹手術
開腹前立腺切除術は現在ではまれですが、前立腺が極端に大きい、または周囲の臓器に影響を及ぼす場合に選択されます。部分切除または全摘除が行われ、TURPと同様の副作用がありますが、侵襲が大きく回復に時間がかかります。
レーザー手術
レーザー手術はTURPや開腹手術より侵襲が少なく、入院は1泊程度、場合によっては外来で完了します。細いスコープを尿道に挿入し、レーザーで前立腺組織を蒸発させます。回復は速く、術後の合併症も比較的軽減されます。
生活習慣の改善
症状が軽度の場合は経過観察と生活習慣の見直しが有効です。短時間に大量の水分を摂取しない、カフェインやアルコールを控える、尿意を感じたらすぐにトイレに行く、適度な運動を取り入れるなどが推奨されます。また、抗ヒスタミン薬は症状を悪化させることがあるため、医師に相談の上中止することがあります。
