前立腺肥大(BPH)は、前立腺が拡大する良性の状態です。手術以外の選択肢として、薬物療法があり、症状の軽減や病勢の進行抑制に効果があります。
前立腺の概要
前立腺はくるみ大の腺で、膀胱のすぐ下、尿道の周囲に位置します。主な役割は、射精時に精子と混ざる液体を尿道に押し出すことです。
アルファ遮断薬(αブロッカー)
αブロッカーは血圧降下薬としても使用されますが、前立腺や膀胱頸部の平滑筋を弛緩させ、尿流を改善します。そのため、BPH の第一選択薬として広く処方されます。
主な薬剤一覧
- フィナステリド(商品名:Proscar) – 5α還元酵素阻害薬で前立腺の体積を縮小。
- デュタステリド(商品名:Avodart) – フィナステリドと同様の作用だが、より強力。
- トラゾシド(商品名:Hytrin) – α1受容体拮抗薬、尿道の筋緊張を緩和。
- ドキサゾシン(商品名:Cardura) – α1遮断薬、血圧降下作用もある。
- タムスロシン(商品名:Flomax) – 前立腺特異的α1受容体を選択的にブロック。
- アルフゾシン(商品名:Uroxatral) – α1遮断薬、比較的副作用が少ない。
二剤併用療法(フィナステリド+ドキサゾシン)
臨床試験では、フィナステリドとドキサゾシンを同時に使用することで、BPH の進行抑制率が最大 67%に達しました。単独使用の場合、フィナステリドは約 39%、ドキサゾシンは約 34%の効果にとどまります。併用により、相乗効果が期待できます。
手術療法との比較
薬物療法が効果不十分な場合や合併症がある場合は、手術が選択されます。主な手術法は経尿道的切除(TURP)、開腹手術、レーザー手術です。手術は前立腺組織を直接除去し、尿道と膀胱への圧迫を即座に軽減しますが、術後の回復期間や合併症リスクも考慮する必要があります。
薬物療法は多くの患者で症状をコントロールでき、手術の回避や延期につながります。個々の症状や前立腺の大きさ、既往歴に応じて、医師と最適な治療法を選択してください。
