PSA測定値が急上昇する原因は?
前立腺は前立腺特異抗原(PSA)という酵素を産生します。通常、血中のPSA濃度は4 ng/mL未満と低く保たれますが、これが上昇すると前立腺に何らかの異常が疑われます。主な原因としては前立腺肥大、前立腺炎、前立腺がん、その他の要因があります。
良性前立腺肥大(BPH)
加齢とともに前立腺組織が過剰に増殖し、前立腺が大きくなる状態です。腫瘍性ではないため転移は起こりませんが、尿流が弱くなる、膀胱が完全に空かない感覚があるなどの症状が現れます。BPHは高齢男性に多く、PSA値が上昇する主な原因のひとつです。
前立腺炎(プロスタティティス)
前立腺の急性または慢性の炎症です。尿意切迫感、排尿困難、陰茎や恥骨部の痛み、排尿時の灼熱感などが症状として現れます。細菌感染が原因の場合もあれば、原因不明のケースもあります。前立腺炎にかかるとPSA値が上昇します。
前立腺がん
他の原因が除外された後、PSA上昇の原因として疑われるのが前立腺がんです。初期段階では自覚症状がほとんどなく、尿流の変化や排尿時の不快感、骨盤・背部の痛みなど軽度の症状にとどまります。PSA検査はがんスクリーニングに有用で、総PSAに加えて遊離PSAと結合型PSAの比率も診断の重要指標となります。結合型PSAが高いほどがんの可能性が高く、遊離PSAが多いほど他の良性疾患が考えられます。
その他の要因
- 前立腺生検を直後に受けた場合、組織への刺激でPSAが一時的に上昇します。そのため、検査は生検前または生検後数週間を開けて行います。
- 射精直後もPSAが上がることがあります。検査前は数日間の禁欲が推奨されます。
