外傷患者が誤嚥を起こす理由と肺炎リスク
誤嚥とは
誤嚥(Aspiration)とは、食べ物や飲み物、嘔吐物などの異物が気管ではなく肺に入ってしまう状態です。外傷患者では、さまざまなメカニズムによりこのリスクが高まります。
外傷で誤嚥が起こる主な原因
1. 喉頭(声帯)損傷
首への強打や外傷で喉頭が骨折・脱臼すると、喉頭の防御機能が失われ、異物が肺へ流れ込みやすくなります。
2. 気管・気管支の断裂
貫通傷や鈍的外傷で気管や気管支が直接損傷すると、異物が直接肺へ流入する経路ができてしまいます。
3. 嚥下反射の低下
頭部外傷や脊髄損傷により脳の嚥下反射が障害されると、 normally 防御してくれる反射が働かず、誤嚥が起こりやすくなります。
4. 意識障害
外傷患者は頭部外傷や薬物中毒、ショック状態などで意識が低下することがあります。意識が低いと自発的に気道を保護できず、誤嚥リスクが増大します。
5. 食道損傷
外傷により食道が破裂すると、食道内容物が気道に漏れ出し、直接的に誤嚥を引き起こします。
誤嚥がもたらす肺炎・肺炎症
誤嚥が起きると、肺組織に炎症(肺炎症、pneumonitis)が生じます。異物は肺胞を傷つけ、炎症反応を誘発し、咳、呼吸困難、発熱、胸痛などの症状が現れます。重症例では、誤嚥性肺炎、肺膿瘍、さらには呼吸不全へと進行することがあります。
