歯ブラシに潜む細菌とその予防法

研究者は、1本の歯ブラシに1,000万以上の細菌が付着していることを確認しました。これはトイレブラシと同程度の数です。トイレの蒸発した水滴が浴室の空気中に漂い、換気が不十分な場合、細菌が歯ブラシに直接付着しやすくなります。使用開始から1週間から1か月で汚染が進み、危険な菌種が多数検出されます。

インフルエンザウイルス

  • インフルエンザウイルスはRNAウイルスで、呼吸器に感染します。発熱、咳、頭痛、倦怠感に加え、喉の痛みや嘔吐・下痢を伴うこともあります。重症化すると命に関わることもあるため、歯ブラシに付着したまま口内に入らないよう注意が必要です。

単純ヘルペスウイルスⅠ(HSV-1)

  • HSV-1は口や顔、皮膚に感染し、症状が出ない人も多いですが、口唇ヘルペス(口唇周囲の水ぶくれ)を引き起こすことがあります。感染は月に1回程度再発することがあり、歯ブラシがウイルスの温床になることがあります。

連鎖球菌(Streptococci)

  • 連鎖球菌は軽度の咽頭炎(いわゆる喉の痛み)から、壊死性筋膜炎といった致命的な感染症まで幅広く引き起こします。特にA群連鎖球菌は歯ブラシに多く見られ、咽頭炎や膿痂疹(にきび様皮膚感染)を引き起こすほか、血流に侵入すれば髄膜炎や肺炎になる危険があります。

ブドウ球菌(Staphylococci)

  • ブドウ球菌は膿瘍やほくろ、皮膚感染を引き起こし、抗生物質に耐性を示す株が多く、重症化すると治療が困難になります。

大腸菌(E. coli)

  • E. coliは本来腸内に常在する菌ですが、腸外に出ると食中毒の原因になります。排泄物を介して歯ブラシに付着し、血便や激しい腹痛を伴う感染症を引き起こすことがあります。

カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)

  • カンジダは口腔・咽喉・腸管に常在する酵母です。免疫力が低下すると口腔カンジダ症(口腔内の白い斑点や痛み)を起こします。歯ブラシの湿った環境はカンジダの繁殖に適しており、鼻づまりや口内炎、倦怠感など多様な症状を引き起こす可能性があります。

大腸菌群(Coliform)

  • 大腸菌群は主に糞便由来で、直接的な危険は少ないものの、同時に他の病原菌が混在している可能性を示す指標となります。

歯ブラシ汚染の予防策

  • 小児歯科医は、歯ブラシは最低でも3か月に1回は交換し、家族の誰かが病気になったらすぐに新しいものに替えるよう勧めています。保管は風通しの良い場所にし、密閉容器は避けましょう。毎晩、家庭用漂白剤(1部の漂白剤に対し4部の水)に浸けて消毒し、清水でよくすすいで自然乾燥させると効果的です。食器洗い機で洗浄し、乾燥させる方法も有効です。

一般的な歯の健康 - 関連記事