歯周病が引き起こす多様な疾患
口腔の健康は全身の健康と深く関わっています。日々のブラッシングとフロスで歯周病を防げば、寿命を延ばすだけでなく、さまざまな全身疾患のリスクも低減できます。
心臓病
歯周病と心臓病には強い関連性が指摘されています。心血管系に問題を抱えやすい遺伝的素因を持つ人は、同時に歯茎の炎症が起こりやすい傾向があります。歯周病は潜在的な心臓疾患の警告サインとなり得るため、早期の歯科治療が心血管疾患の早期発見・治療につながります。
肺・腎・膵臓・血液のがん
歯周病は免疫力を低下させ、全身でがんが発生しやすい環境を作ります。感染した歯茎からの細菌は口腔や咽喉のがんを直接的に誘発することもあります。喫煙と併せて歯周病があると、肺がんや血液がんのリスクが大幅に上昇します。歯周病はがんの早期兆候がある部位の治癒を妨げる要因ともなります。
妊娠合併症
母親の歯周病は胎児の低出生体重や早産のリスクを高めます。歯茎の細菌が血流に乗って全身に広がり、胎盤や胎児に影響を及ぼすため、妊娠中の口腔ケアは非常に重要です。
アルツハイマー病
長年にわたる研究で、慢性炎症が脳の変性を促進し、アルツハイマー病のリスクを上げることが示されています。歯周病は全身性の炎症源の一つであり、口腔衛生が不十分だと認知症の罹患率が上昇します。双子を対象とした研究でも、環境要因としての口腔状態が重要視されています。
糖尿病
歯周病は血糖コントロールを悪化させ、糖尿病患者の合併症リスクを高めます。逆に、歯周治療で歯茎の状態が改善すると、血糖値も安定しやすくなることが1997年の『Journal of Periodontology』の研究で報告されています。
