アブシジン酸(ABA)の主な効果と研究動向
植物ホルモン(フィトホルモン)は、細胞周期や成長・発達を調節する有機化合物です。代表的なものにオーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、そしてアブシジン酸(ABA)があります。
アブシジン酸と脱落(アブシッション)
ABAは果実、花、葉、時には小さな芽や枝の脱落を促進します。このプロセスは種子や繁殖構造の散布、土壌への栄養還元、老化・損傷組織の除去に重要です。
ストレスホルモンとしての役割
ABAは種子萌芽、根の成長、果実の熟成、芽の休眠を制御します。また、気孔の開閉を調節し、乾燥や高温などの環境ストレスに応じて気孔を閉じ、水分蒸散を抑制します。
環境ストレス耐性への関与
1960年に綿の綿房から初めて単離されて以来、乾燥、低温、塩害、熱、創傷など様々なストレスでABA濃度が上昇し、植物の生存率を高めることが分かっています。このメカニズムの解明は作物の収量向上や持続可能な農業に直結します。
遺伝子発見と応用研究
2009年4月30日のCBCニュースによれば、カナダ・米国・スペインの研究チームは化学ゲノミクス手法でABA受容体となる4つの遺伝子を同定しました。これにより、乾燥時に散布できるABA類似化合物の開発が期待されています。
米国農業研究局(ARS)の取り組み
世界中の研究機関が遺伝子工学による耐ストレス作物の開発に注力しています。米国農業研究局(ARS)は、遺伝資源の最大活用が食料供給の安定と価格安定に不可欠であると述べ、持続可能な生産システムの構築を目指しています。
