子どもの感覚処理障害(SPD)のサインと対処法
感覚処理障害(Sensory Processing Disorder、旧称:感覚統合障害)は、身体の感覚情報が脳とうまく連携できない状態です。聴覚・視覚・触覚・嗅覚・味覚・運動感覚のいずれか、あるいは複数に過敏(ハイパー)または鈍感(ハイポ)な反応が現れます。軽度のクセから、日常生活や学習に支障をきたすほどの行動まで、症状は多様です。
聴覚
-
過敏な場合:大きな音や雑音を極度に嫌がり、耳を塞いで泣き出すことがあります。混雑した店舗やパーティーなど、音が混ざる環境を避けようとします。
鈍感な場合:ほとんど聞こえない音でも注意が向きやすく、呼びかけても反応しないことがあります。テレビや音楽の音量を極端に上げてしまうことも。
視覚
-
過敏な場合:明るい光や強い色に対して頭痛や目の疲れを訴え、目を合わせるのを嫌がります。小さな動き(例:葉が揺れる)にも注意が散らばります。
鈍感な場合:近視・遠視と診断されることがありますが、実際は視覚情報の処理が問題です。文字や形を取り違えやすく、ディスレクシアや文字の傾きが見られます。二枚の絵の違いを見つけるのが苦手です。
触覚
-
過敏な場合:軽いタッチでも激しく不快感を示し、特定の服の素材を痛いと感じます。抱きしめられることを避け、シャワーより浴槽を好むことがあります。
鈍感な場合:過度に抱擁を求め、痛みへの耐性が高く、怪我に気付かないことがあります。泥や砂など刺激が強い遊びを好む傾向があります。
嗅覚
-
過敏な場合:特定の匂いに強く反応し、食べ物の選択が狭くなります。香水やコロンに非常に敏感です。
鈍感な場合:匂いの違いを区別できず、自己の体臭に気付かないことがあります。危険な化学物質の匂いを感知できないリスクがあります。
口腔感覚
-
過敏な場合:食感や温度にこだわり、特定の食べ物だけを好むことがあります。歯科治療や歯磨きを強く嫌がります。
鈍感な場合:口に物を入れる行動が頻繁で、唾液の感覚が乏しいためよだれが出やすいです。逆に歯科医を好むことがあり、塩分・糖分・辛味を過剰に摂取する傾向があります。
運動感覚
-
過敏な場合:ブランコやシーソーなどの揺れる遊具を避け、階段の上り降りすら恐れることがあります。座っていることを好み、スポーツ全般に消極的です。
鈍感な場合:刺激を求めて過活動的になり、回転椅子でくるくる回ったり、家具の上でジャンプしたりします。疲れにくく、めまいを感じにくいのが特徴です。
まとめ
-
同一感覚領域でも過敏と鈍感が同時に現れることがあります。たとえば、軽いタッチで叫ぶ子どもが、針で刺されたことに気付かないケースです。すべての子どもがある程度の感覚差は持っているため、過度で安全を脅かす場合にのみ専門家の評価が必要です。疑いがある場合は、認定心理士や作業療法士に相談しましょう。
