小児における糖尿病の遺伝的リスクと予防
1型糖尿病
1型糖尿病(免疫介在性糖尿病)は、かつて「若年性糖尿病」と呼ばれた自己免疫疾患です。膵臓がインスリンをほとんど、あるいは全く産生できなくなるため、糖やデンプンをエネルギー源であるグルコースに変換できません。ADAによると、両親が1型糖尿病の場合、子どもが発症する確率は約1/4〜1/10とされています。
症状・診断・治療
症状は数週間で急速に現れ、以下が典型的です。
- 喉の渇きが増す
- 頻尿
- 食欲が著しく増す
- 体重減少
- 倦怠感・イライラ
- 視界がぼやける
- 女児のカンジダ症、乳幼児の重度の下痢や脱水
血糖値測定による血液検査で診断し、自己抗体の有無で1型か2型かを区別します。
治療は生涯にわたる血糖自己管理、インスリン投与、バランスの取れた食事、定期的な運動が基本です。小児内分泌科医は子どもと保護者と共に治療効果をモニタリングし、必要に応じて調整します。
2型糖尿病
2型糖尿病はインスリンの分泌不足(完全欠乏ではない)によって起こります。成人に最も多い糖尿病ですが、近年は小児・思春期でも増加しています。遺伝的リスクは高く、両親が2型糖尿病の場合、子どもが発症する確率は約50%です。
症状・診断・治療
子どもの2型糖尿病は1型に比べ症状が緩やかで、進行もゆっくりです。主な症状は以下の通りです。
- 頻尿、過度の喉の渇き、疲労感
- 高血圧や高コレステロールの合併が多い
- 思春期の女児は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を発症しやすい
血糖値測定で診断し、小児内分泌科医が食事指導・運動プログラムの作成、体重管理を中心に治療計画を立てます。必要に応じてインスリン投与や血糖自己測定も行います。
予防策
メイヨークリニックが提唱する子どもの2型糖尿病予防のポイントは次の3つです。
- 低脂肪・低カロリーで、果物・野菜・全粒穀物中心のバランスの良い食事を心がける。
- 定期的な運動習慣をつくる。スポーツチームやダンス教室への参加など、家族で楽しめる活動を選ぶ。
- 適正体重を維持する。食事と運動の見直しで余分な体重を減らす。
