小児におけるロタウイルス感染症
ほとんどの子どもは5歳になるまでに少なくとも1回はロタウイルスに感染します。ロタウイルスは乳幼児の下痢と重度の脱水症状の主要な原因です。毎年、ロタウイルスによる下痢は300万件以上、5歳未満の子どもで重度の下痢や脱水症状による入院は5万5千件以上報告されています。
症状
- 頻繁で水様性の便や下痢、腹部のけいれん、吐き気、嘔吐、発熱、鼻汁、咳などが見られます。ロタウイルス感染に伴う下痢は重度の脱水を引き起こすことがあり、落ち着きがなくなる、無気力、イライラ、激しい渇き、目がくぼむ、皮膚や口内が乾く、尿量が減少するなどの症状が現れます。
自宅での対処法
- 脱水がなく軽度の下痢の場合は、通常の食事を続けながら水分摂取を増やします。中等度の脱水では、少量を頻回に飲ませ、症状が落ち着いたら通常の食事に戻します。炭酸飲料や果汁は下痢を悪化させるため避けます。嘔吐がある場合は、少量の水分を頻回に与え、飲めないときは氷のかけらを与えます。嘔吐が止まったら、クラッカー、トースト、米、リンゴソース、バナナなどの消化に優しい食事を続けます。
医療機関での治療
- 症状の重症度に応じて、小児科医は便・血液・尿の検査を行い、細菌感染でないことを確認します。中等度・重度の脱水がある場合は、点滴による静脈内輸液で体液と電解質のバランスを整えるため入院が必要になることがあります。ロタウイルスに対して抗生物質は効果がなく、使用されません。
予防と対策
- ロタウイルスは非常に感染力が強く、冬から春にかけて流行しやすいです。米国小児科学会は、標準的な乳児予防接種に加えてロタウイルスワクチンを3回接種することを推奨しており、感染の75%を予防できます。手洗いの徹底が最も効果的な予防策です。感染した子どもは、下痢が完全に止まるまで保育園や学校、公共の場への外出を控えるべきです。
注意すべき症状
- 体温が39℃(102°F)以上、血便、激しい腹痛、下痢と嘔吐が6時間以上続く、無気力、強い渇き、めまい、口が乾く、尿量が著しく減少するなど、重度の脱水が疑われる場合は直ちに医療機関を受診してください。
