小児における膵炎の症状と治療
膵炎は膵臓が炎症を起こす疾患です。膵臓は消化酵素を分泌し、血糖を調整するインスリンやグルカゴンを産生します。炎症が起こると、これらの酵素が膵臓自身を攻撃し、様々な症状を引き起こします。小児の膵炎は稀ですが、遺伝性疾患や腹部への強い外傷が主な原因とされています。
急性膵炎
急性膵炎は突然発症し、症状が重くなります。胆石が最も一般的な引き金ですが、感染症、腫瘍、薬剤、腹部外傷でも起こり得ます。早期の医療介入が必要で、適切な治療により通常は後遺症なく回復しますが、脱水や内出血、低血圧、腎・肺・心不全などの合併症を引き起こすことがあります。重症化すると慢性膵炎へ移行し、瘢痕化が起こります。
急性膵炎の症状
- 上腹部の激しい痛みが突然出現し、背部へ放散することが多い。
- 痛みは数日続き、食後に悪化しやすい。
- 腹部の膨満感や圧痛。
- 発熱、嘔吐、吐き気、頻脈(心拍数の増加)。
慢性膵炎
慢性膵炎は膵臓の炎症が長期間続き、時間とともに悪化します。30〜40代に多い疾患ですが、遺伝性や腹部外傷、嚢胞性線維症(CF)などが原因で小児でも発症します。遺伝性膵炎の子どもは、数日間続く腹痛や下痢を繰り返すことがあります。
慢性膵炎の症状
- 上腹部や背部の持続的な痛み(痛みがない子もいる)。
- 食後に痛みが増すことがある。
- 下痢、脂肪便(油っぽい便)、嘔吐、吐き気。
- 体重減少。
治療法
急性膵炎の治療は点滴による輸液、抗生物質、鎮痛剤が中心で、必要に応じて外科手術が行われます。慢性膵炎は点滴と鎮痛剤に加え、低脂肪食と酵素補充剤が推奨されます。重度の膵臓損傷がある場合は外科的に損傷部位を切除することがあります。
