DRG(診断関連群)とトリムポイントとは何か
診断関連群(DRG)とは
診断関連群(Diagnosis Related Groups、略称DRG)は、診断内容や年齢、手術の有無、その他の健康状態といった臨床的特徴と費用が類似した患者をまとめた分類です。米国メディケアをはじめとする保険者は、同一DRGに属する患者全体の平均費用を基に支払基準を設定します。病院の請求書にはDRGコードが記載され、保険者は同じ特徴を持つ患者の平均コストを参照して支払額を決定し、残りは患者が負担します。
DRGの役割
DRGは患者情報を大まかなグループにまとめることで、請求手続きを迅速化します。個々の患者に対しては、平均費用からずれた部分を「トリム(調整)」することで、実際にかかった費用や入院期間に応じた正確な支払額が算出されます。
トリムポイントとは
患者があるDRGに分類されても、実際の治療費や入院日数が平均と大きく異なることがあります。このとき、トリムポイントを用いて費用や入院期間を調整します。
- 費用トリムポイント:対象DRG内の全患者の平均費用(算術平均)から、標準偏差の2倍上までの金額を上限とした基準。
- 入院日数トリムポイント:対象DRG内の全患者の平均入院日数から、標準偏差の2倍上までの日数を上限とした基準。
これら二つを合わせた金額や日数が、個別患者の「トリムポイント」として適用され、実際の支払額がより正確に算出されます。
トリムポイントの算出方法と例
トリムポイントは、平均(Mean)と標準偏差(Standard Deviation)を利用して、DRG内の外れ値(アウトライヤー)を補正します。平均は全データの合計を件数で割った値です。標準偏差は、各データと平均との差を二乗し、その総和を件数で割って平方根を取ることで求められます。
例として、数列 5, 5, 7, 8, 10 の場合:
- 平均=(5+5+7+8+10)÷5=7
- 各数と平均の差=-2, -2, 0, 1, 3
- 差の二乗=4, 4, 0, 1, 9
- 二乗の平均=(4+4+0+1+9)÷5=3.6
- 標準偏差=√3.6≈1.90
統計的には、全体の約95%が平均から±2標準偏差の範囲内に収まります。トリムポイントはこの範囲を超える費用や入院日数に対して上限を設定し、保険者が過度な支払いを防ぐ仕組みです。
