ユニバーサルヘルスケアの欠点

ユニバーサルヘルスケアは、すべての国民が政府主導の保険制度で医療サービスを受けられる仕組みです。貧困層や失業者、高齢者、病気の人だけでなく、健康な人々も対象となります。しかし、全員がカバーされることのメリットだけでなく、いくつかの重大なデメリットも存在します。

費用は無料ではない

ユニバーサルヘルスケアは無償サービスではありません。その運営費は個人税の増加やその他の財源で賄われます。企業は医療費負担が上がることでコストが転嫁され、結果として商品やサービスの価格が上昇し、最終的に消費者に負担が回ります。診療時に自己負担がなくても、すでに他の手段で支払われていることを忘れてはいけません。

サービスへのアクセスの遅延

最大の課題の一つは、医療サービスへのアクセスです。既にユニバーサルヘルスケアを導入している国でも、専門医の診察待ちや手術の予約待ちが長期化するケースが報告されています。たとえば、2006年にはイギリスで90万人が国民保健サービス(NHS)の入院待ちリストに並んでいたと報じられました。カナダの最高裁判所長官ベバリー・マクラクリンは「待ちリストがあることは、医療へのアクセスがあることではない」と述べています。

競争の低下

米国は自由市場と競争が根幹です。製薬企業は新薬を市場に投入することで巨額の利益を得ますが、ユニバーサルヘルスケアが導入されると、政府は価格の抑制や利益の共有を求めるため、企業の利益率が低下します。結果として新薬開発へのインセンティブが減少し、画期的な医薬品の競争が弱まる恐れがあります。

政府の官僚的関与

ユニバーサルヘルスケアは政府が運営するため、すべての医療サービスは官僚的な手続きを通過しなければなりません。米国でのFannie MaeやFreddie Macの運営経験から、政府主導のプログラムに対する不信感が根強いことは周知の事実です。また、メディケアやメディケイド、社会保障といった既存の社会保障制度も財政的に厳しい状況にあり、全面的な改革が必要です。政府が「いつ、どのサービスを受けられるか」を決定することは、現在の自由選択型医療システムとは大きく異なります。

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