結腸癌:NICEガイドラインの全体像
イングランドとウェールズの国民保健サービス(NHS)の特別保健機関であるNational Institute for Clinical Excellence(NICE)は、さまざまな疾患に対する診療指針を提示しています。ここでは、結腸・直腸・肛門がん(総称:大腸がん)に関するNICEの主要ガイドラインをわかりやすく解説します。
内視鏡検査(Endoscopy)
内視鏡検査は、光源とカメラ付きのチューブを肛門から挿入し、大腸や結腸、消化管の他部位を観察する検査です。大腸がんの正確な診断に不可欠です。
- 迅速な紹介の推奨:大腸がんが疑われる症状がある患者には、速やかに内視鏡検査への紹介を行うべきとしています。
- 診断用設備の確保:医療機関は、診断に必要な内視鏡装置を常備し、いつでも検査が実施できる体制を整えることが求められます。
治療チーム(Treatment Teams)
NICEは、大腸がん患者の治療は専門性の高い多職種チームが行うべきと定めています。
- 多職種チームの構成:最低でも200,000人を対象とする地域で、以下の専門家が揃ったチームを組織します。
- 大腸外科経験者2名以上
- 腫瘍内科医
- 診断放射線科医
- 病理医
- 熟練した大腸内視鏡医
- 臨床看護専門家(ナーススペシャリスト)
- 緩和ケア専門医
- サポートスタッフ
- 直腸がんに特化した研修:直腸がんの再発防止には特殊な技術が必要です。多職種チームのメンバーは、直腸がん治療に関する専用研修を受けることが求められます。
- 緊急時の対応:緊急治療が必要な患者は、可能な限り大腸がん専門チームが担当すべきです。担当チームがいない病院の場合は、チームが整っている他院へ速やかに転院することが推奨されます。
情報提供と支援の充実(Improved Information and Support)
患者が大腸がんと治療法について十分に理解できるよう、情報提供と支援体制の強化が求められます。臨床看護専門家がチームに配置されることで、患者は適切な情報を得て、治療に対する準備を整えることが可能になります。
