安全な患者搬送テクニック
医療従事者は患者をベッドから持ち上げる際に重大なリスクにさらされています。適切に持ち上げないと、首や背中を重傷し、数週間働けなくなることがあります。また、患者を誤って扱うと転倒や怪我の危険もあります。安全な搬送のためには、正しいリフト技術を常に実践することが不可欠です。
ベッドから椅子への1人搬送
患者が自力で歩行でき、補助が必要な場合は、1名の医療従事者で搬送できます。まず、歩行ベルト(ガイドベルト)を患者の腰にしっかりと装着します。ベルトを締めたら、患者をゆるく胎児位にし、椅子に向かって顔を向けさせます。搬送者は片方の腕を患者の胴体下に、もう片方の腕を膝の後ろに回します。患者に「3カウントで持ち上げてください」と声を掛け、カウントが3になったら、足をベッドの端に持ち上げながら胴体を同時に持ち上げます。足の勢いで患者は安全に座位へと移行します。
座位になったら、患者は肩をつかんで搬送者を支え、搬送者は患者の腰のベルトをしっかり握ります。双方の足は肩幅程度に開き、肩を合わせて小さなステップで体を回転させ、椅子の正面まで移動します。最後に膝を曲げ、脚の力で患者を椅子に下ろします。
ベッドから椅子への2人搬送
歩行が困難で体重を支えられないが、完全に依存していない患者の場合は、2名で搬送します。まず、同様にガイドベルトを患者の腰に装着します。一人が足を回転させ、もう一人が胴体を持ち上げます。タイミングを合わせないと、関係者全員が怪我をする恐れがあります。
患者が座位になると、外側の腕でベルトの背面を握り、内側の腕で患者の腕を掛け、患者は搬送者の肩を掴みます。3カウントで同時に持ち上げ、肩幅のステップで椅子まで回転させ、膝を曲げて脚の力でゆっくりと患者を椅子に下ろします。
完全介助搬送(2人)
完全に介助が必要な患者の場合は、2名で以下の手順を行います。まず、上記の2人搬送と同様にベルトで患者を起こし、背後でベルトを握ります。搬送者はそれぞれ患者の左右に向き合い、膝を曲げて背骨の自然なカーブを保ちます。片方の手は患者の背中の後ろに、もう片方の手は太ももや膝の下に添えて、両手で患者を持ち上げて支えます。持ち上げた状態でゆっくりと椅子へ移動し、膝を曲げて脚の力で慎重に患者を下ろします。
