健康保険料は税引前に支払えるのか?
シアトル・タイムズ(2009年)の報道によると、健康保険料はインフレ率や平均賃金の上昇を上回り、毎年約5%ずつ増加しています。保険料が手の届かないほど高くなる中、米国では保険料負担を軽減するための税制優遇が利用できる場合があります。
雇用主の場合
従業員に団体健康保険を提供している雇用主は、保険料を税控除対象とできます。従業員の保険料分を給与から差し引くことで、その分を総支給額から控除し、残りの給与に対して課税します。歯科・視覚・職業上の事故保険などの補足保険も同様に扱われます。
自営業者の場合
自営業者は、配偶者の勤務先が家族保険を提供していない限り、雇用主の保険制度を利用できません。そのため、保険料全額を自己負担で支払う必要がありますが、米国国税庁(IRS)は自営業者の健康保険料を連邦所得税から控除できるよう認めています。控除が適用されるまでに時間がかかることがありますが、年間の税額を大幅に減らす効果があります。四半期ごとの予定納税額を調整して控除分を見込むことも可能ですが、控除額を過大に見積もると不足納付となり、罰金やペナルティが課される点に注意が必要です。
医療保険改革法(ACA)
2010年に施行された医療保険改革法(通称オバマケア)では、健康保険料に関する複数の税制優遇が設けられました。2010〜2013年は、従業員の保険料の半分以上を企業が負担する小規模事業者に対し、最大35%の税額控除が提供されました。2014年以降は、この控除率が50%に引き上げられました。また、2014年からは、雇用主から適切な保険が提供されないために個人で保険を購入する低~中所得層の納税者にも、所得に応じた段階的な税額クレジットが適用されます。
2014年以前の制度
2014年以前に自営業者でない個人が保険を自ら購入した場合、保険料を税引前の資金で支払うことはできません。その代わり、保険料とその他医療費を合算し、調整後総所得(AGI)の7.5%を超える部分について医療費控除が受けられます。もう一つの節税策として、高額自己負担型健康保険(HDHP)を選択し、税金がかからない健康貯蓄口座(HSA)を開設する方法があります。HDHPは保険料が比較的低く、HSAへ拠出した金額は全額税控除対象となり、医療費の支払いも非課税で行えます。
上記の制度を上手く活用すれば、健康保険料の負担を大幅に軽減できる可能性があります。
