健康保険のポータビリティとプライバシー保護法(HIPAA)
2003年に施行された米国の連邦法、Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)は、医療提供者・保険会社・クリアリングハウス間の医療情報の電子的伝送基準を定め、医療情報の安全性とプライバシーを保護します。この法律により、健康保険会社は取り扱う医療情報を厳格に守らなければなりません。
保護された健康情報(PHI)
健康保険会社は、患者の許可なく保護された健康情報(PHI)を開示できません。PHI とは、氏名、生年月日、診療日、連絡先、社会保障番号、医療記録など、個人を特定できるすべての健康情報を指します。
対象となる組織
HIPAA のプライバシールールは、以下の組織が保有する健康情報を保護対象とします。
- 医師、看護師、病院・診療所などの医療提供者
- 医療情報を受領・処理するクリアリングハウス(例:病院の請求サービス)
- 健康保険プラン(民間保険会社、企業の健康保険、HMO、メディケア、メディケイド)
データベースの利用
保険会社は、保険加入者のリスク評価のために各種データベースを利用しますが、これらは HIPAA の対象外です。たとえば、医療情報局(MIB)に特定の病状を登録したり、IntelliScript や MedPoint といった処方薬購入履歴データベースを参照したりします。
健康情報の開示
1999 年の金融近代化法により、健康保険会社は金融機関としての義務を負い、顧客情報の収集・利用方法や権利行使手続きについて説明しなければなりません。裁判所の命令や召喚状があれば、患者の同意なしに医療情報を開示できますが、開示は命令で指定された情報に限られます。また、治療・支払い・業務運営に必要な場合も同様に開示が認められます。
免除対象の保険タイプ
以下の保険は HIPAA の適用外です。
- 労働者災害補償保険
- 障害保険
- 賠償責任保険に付随する補足医療保険
- 自動車医療支払保険
- 現場医療クリニック向け保険
これらは州ごとに規制され、各州が独自のプライバシー規則を設けることがあります。
