HSAとFSAについて知っておくべきポイント
医療費の資金調達は重要な課題です。多くの人は自己負担か健康保険の請求だけが選択肢だと考えがちですが、実は他にも選べる制度があります。代表的なものが「ヘルス・セービング・アカウント(HSA)」と「フレキシブル・スペンディング・アカウント(FSA)」です。各制度の仕組みとメリット・デメリットを把握したうえで、自分に合った方法を選びましょう。
フレキシブル・スペンディング・アカウント(FSA)
FSAは、雇用主が従業員の給与から一定額を天引きし、税引き前の金額を専用口座に積み立てる制度です。積み立てた金額は、医療費や処方箋なしで購入できる医薬品(絆創膏や制酸剤など)を含む、IRS が認める医療関連費用に自由に使えます。給与からの天引きが税前なので、課税所得が減り、結果的に税負担が軽減されます。
ただし、FSA には「使わなければ失われる(use‑it‑or‑lose‑it)」という制約があります。年度末に未使用の残高は消滅するため、計画的に使用額を見極める必要があります。
ヘルス・セービング・アカウント(HSA)
HSA は、FSA と同様に税前給与から資金を拠出しますが、最大の違いは未使用残高が翌年以降に繰り越せる点です。これにより、長期的な医療費に備えて資金を蓄えることが可能となり、投資による増額効果も期待できます。
HSA を利用できるのは、一定以上の自己負担額(高額自己負担健康保険)に加入している従業員に限られます。FSA と HSA はどちらも医療費負担を分散し、過剰な医療サービスの抑制や大きな疾病リスクへの備えを目的としています。
その他の考慮点
どちらの制度を選ぶにしても、加入予定の保険プランの保障範囲や自己負担額、個人・家族の医療履歴、現在および将来の財務状況を総合的に検討することが重要です。拠出額は自由に設定できますが、未使用分はすぐに利用できないため、過不足のない金額設定が求められます。
なお、IRS の規定により、医療費が年間所得の 7.5% を超える場合は、その超過分を医療費控除として申告できます。大きな医療支出がある場合は、FSA・HSA への拠出と合わせて税金面でのメリットを最大化できるでしょう。
